まるマッコリの日記(仮)

自分の思ったこと、好きなものを書いていきます。主に特撮やFGO。

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『記憶にごさいません!』感想 三谷監督最新作 純粋な誠意にこそ、人はついてくる

『記憶にございません!』絶賛公開中!!

三谷幸喜さん最新作『記憶にごさいません!』鑑賞しました。鑑賞に先駆け、『ステキな金縛り』を予習復習に鑑賞しましたが、これまでの作品同様、終わった後には清々しい気持ちにさせてくれる作品でした。

marumakkoriblog.hatenablog.com

以下感想をつらつらと。

 

 

三谷作品特有の「着々と積み上がるワクワク感」

これまでの作品と比べ、伏線は少なめだったかなと。先の物語を見越して、何かをさせるといった事は、あまり感じられませんでした。

しかし、首相の在り方に次々と人が賛同し、戦友が集まってくる様は、これまでのように積上がっていく楽しみがあったなと思います。

 

 

まるで少年マンガの王道ストーリー

政治を知らない人間が政治家になる物語は他にも多数ありますが、私は今回の作品で『デーヴ』を思い出しました。こちらも面白いんですよね。痒いところに手が届くという感じの爽やかさがあります。

デーヴ (字幕版)

デーヴ (字幕版)

 

 

政治を主体にした作品の中でも、政治を知らない人間が主人公の作品は、比較的とっつきやすい物がほとんどです。『デーヴ』もそうですが、あくまで主役は「政治を知らない人」なので、ちょっとずつ政治を理解していく事で、ストーリーが進行していきます。なので、政治の事がよく分からない人にも楽しんでもらえるような内容がほとんどです。

それに加え、他の政治家達が今まで曖昧にしていた汚点に鋭く切り込んでいく様も描かれていく為、非常に見応えがあります。皆が黙認している事に「それは違うだろ!」と声を大にして反論する。知らないが故の無垢さを武器に、誠意を持って問題に挑んでゆく。

CHANGE DVD-BOX

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この誠意ある姿に共感して、少しずつ仲間が集まってくる様も、とても面白いんですよ。最初は反発していた周りが、1人また1人と賛同し、支えてくれるようになる。実社会では中々難しいであろうことも、集まってくれた仲間と共に解決してゆく。少年マンガよろしくの王道ストーリー。胸を熱くさせてくれます。

 

『記憶にございません!』も、この王道ストーリーのうちの1つです。

黒田さんの記憶喪失から物語がスタートし、自身がどんなに最低な人間だったかを知ります。そこから今後の在り方、今の政治がどうあるべきかを前向きに考えアクションを起こす。その正しくあろうとする姿勢を見て、のぞみさんや井坂さんといった味方も増えていく。最後まで正義を貫く姿に、見ているこちら側を清々しい気持ちにさせてくれました。

 

 

役者が楽しんで演じてるのが分かる作品

 三谷さんの作品って、とにかく役者さんが楽しそうに演じるんですよ。無理してないというか、役にあった配役というか。とてもバランスの取れた作品がほとんどです。LINEブログでも、役者の芝居を重視して撮影に取り組んでおられることを明言されており、その姿勢が作品によく表れていると思います。

中井貴一さんの演じる黒田さんの、記憶を無くす前と後。ディーン・フジオカさん演じる井坂さんの、クールなキレ者感。濱田龍臣さん演じる篤彦くんの、反抗期真っ只中という感じの態度。どの役者を見ても、ドンピシャに役がハマっておりますし、活き活きとしているのが分かります。

個人的に特にハマってしまったのが、小池栄子さんと斉藤由貴さん。

小池さん演じるのぞみさんのサポートは作中で光ってましたし、なによりダンスが…(笑)。

斉藤さん演じる寿賀さんは、完全に私の性癖です。非常に興奮しました。

b.―小池栄子写真集

b.―小池栄子写真集

 
AXIA

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最後まで視聴者を退屈させないところが「三谷幸喜作品」の真骨頂!

そして、最後の最後に用意されたまさかのオチ。このあたりが、さすがは三谷さんという感じです。「良い政治が行えました、めでたしめでたし」だけでは済ませない。

作品を振り返ってみると、寿賀さんに後ろから殴られたところが、物語の分岐点になるかなと。頭に大きなショックを与えられたシーンは、おそらくここだけなので。

さすがにもう一度見返さないと確信が持てませんが、おそらく殴られたのを境に、黒田さんの様子は少しばかり変化しているものと思われます。次回作品を拝見する際は、注意して見たいものです。

「記憶にございません! 」 オリジナル・サウンドトラック

kiokunashi-movie.jp

 

 

 他の作品もぜひ!

 映画監督8作目となる今作、やはりテンポの良さが際立っております。見た人を飽きさせない内容となっており、見ごたえは十分でした。シナリオ、役者の演技共にピカイチだったと思います。

黒田さんのような、まっすぐで曇りのない誠意にこそ、人は心を動かされるのだなと、思わず我が身を振り返ってしまいました(笑)

三谷さんの他の作品も面白いので、ぜひご覧ください。

THE 有頂天ホテル

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