まるマッコリの日記(仮)

自分の思ったこと、好きなものを書いていきます。主に特撮やFGO。

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『ラスト・クリスマス』感想 真に人を愛するとは、自分を大切にする事から始まる。

2020年の記念すべき1本目!

1月1日、『ラスト・クリスマス』を鑑賞しました。

George Michael & Wham! Last Christmas: The Original Motion Picture Soundtrack

lastchristmas-movie.jp

 

 「正月なのにクリスマス映画かよ~」「スターウォーズ仮面ライダーじゃねぇのかよー」…はい、おっしゃる通りです(泣)。予約しておいて、なんでこのチョイスなんだろな…と自身を疑いました。

 とは言えCMを見てからものすごく気になっていたこの映画。年末はなんだかんだで忙しかったので、ファーストデイを利用して鑑賞する事にしました。

 たまにはベタな恋愛映画もいいかな、なんて思っていたのですが予想外に楽しめまして、劇場を出る頃には見て良かったという気持ちでいっぱいに。

 以下、感想をつらつらと。

 

 

王道ラブコメ、それが良い。

 クリスマスシーズンに公開する恋愛映画だけあって、とにかくケイトとトムのシーンの空気感がくすぐったいです。ファーストコンタクトがイマイチなところからスタート、お互いを理解しあいながら、少しずつ仲良くなっていく2人。関係は平行線ながらも、愛情に近い友情関係が築き上げられていく様は、朗らかな気持ちになれます。ベタベタではあるんですが、そこが良い。当初に期待した幸せな感じがありありと伝わってきて、非常に微笑ましい作品だったかなと思います。

  最初は人としてダメダメだったケイトが、トムとの関りを通して成長し、一端の人間になっていく…。これこれ、これですよ。私が求めていた王道ラブコメ。いやーむずがゆいね(笑)。

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「私はそれを他の特別な人にあげるんだ」

 判明するトムの秘密。すでにこの世にはいない、身も心も助けてくれた人生の恩人を思いながらケイトが歌うのは、ワム!の『ラスト・クリスマス』。その一節がじんわりと心に染みます。

I’ll give it to someone special
私はそれを他の特別な人にあげるんだ

 

~『ラスト・クリスマス』(sing by ワム!)より ~

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 トムとの出会いによって、真に自分を愛する事を学んだケイト。自分の在り方を見つめ直したケイトには、以前の様に自由に縛られていた痛々しい姿はなく、輝いていたように見えたのは、体に巻き付けた電飾のせいだけでは無かったと思います。

 他人に愛を捧げられるのは、自分に余裕がある証だと思うんですよね。それは実績や努力をもって自分に自信をつける事ではなく、客観的に自分を認識して、ありのままを受け入れて肯定していく姿勢だと考えていて、ケイトはトムの言葉をきっかけにその姿勢を掴みました。「普通なんて無いんだ」「もっと自分を大事にして欲しい」、トムの言葉は、忙しなく流れる現代を生きる人達にも、深く刺さる言葉だったなと。ケイトの眩しい姿を見ながら、私も少しだけ、明るい気持ちになれました。

 

 

取り上げられる移民問題

 劇中、ケイトの家族がロンドンにやってきた移民である事がよく取り上げられます。ケイト自身も自分が移民である事を気にしているようで、ケイトという名前も、その事実から世間の目を逸らす為に名乗っているようでした。

 ロンドンの移民問題。調べてみるとかなり問題になっているようで、現地に住む白人の割合が半分になる程、今のロンドンは多様な人種が暮らしているようです。(移民が増えたのではなく、白人が出て行ったという話もあるようです)劇中でも「よそ者はロンドンから出ていけ!」とバスの中で白人が叫ぶシーンがあり、元々ロンドンに住む人たちにとっては、あまり気持ちのいい事実ではないのかもしれません。

 

 しかし、ケイトを演じるエミリア・クラークはイギリスの俳優で、トムを演じるヘンリー・ゴールディングはイギリスにも国籍があるようですが、マレーシアの俳優です。またケイトが働くお店のオーナーを、ミシェル・ヨーが演じているのですが、中国系マレーシア人である彼女は、お店にやってきたイギリス紳士と恋仲になります。人種や国が違う人間同士が親睦を深めていくというストーリーには、どこかメッセージ性があるように思えてならないのです。

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 ロンドンの移民問題については、この映画を見て知った事なので、よく分かっていないのが正直な話です。きっと私の知らない不都合や問題点が山ほどあるんだと思います。ただこの映画の様に、違う人種同士でも愛が育まれ、お互いを尊重できるような世界が実現すればと思いますし、その為の配役やテーマだったのではないかなと。映画を通して平和的なメッセージを伝えたかったのではないかなと思っている次第です。

 

 

気になった事

 面白かったのですが、ちょっと気になる事も。

 ケイトが心臓移植を受けた日と、トムが心臓を摘出した日がずれていて一致しないと思うんですよね…。回想シーンだとケイトは15歳ぐらいだったように見えるのですが、それだと時間経過がおかしいような…。私の見間違いや聞き間違いだと思うのですが、どうにも引っ掛かる点でした。 

 

 

20年の映画スタートとしては◎

 王道展開でありながら、結ばれる事の無かったラスト。故にこの映画には、愛情以上の愛情が表現されていたかなと思います。ケイトにとってのトムは、一生心の中で生き続ける存在なのだと思うと、感動的です。自身を大切にして生きる事、私もトムの言葉を胸に、常に前向きに生きていたいものです。

 元日に見るクリスマス映画、…まぁ悪くないでしょう(笑)