まるマッコリの日記(仮)

自分の思ったこと、好きなものを書いていきます。主に特撮やFGO。

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『前田建設ファンタジー営業部』感想 技術に情熱がパイルダーオン、仕事を「楽しい」と思える幸せ。

実話…?

 『前田建設ファンタジー営業部』、鑑賞しました。

映画『前田建設ファンタジー営業部』オリジナル・サウンドトラック

maeda-f-movie.com

 

 「マジンガーZの格納庫を作る計画を立てる実話」とあって、公開前から気になっていた作品です。作品概要を読んでみると、「格納庫を作る発注を受け(た設定で)、きちんと技術的裏付けのある見積や設計を行い、かかる費用まで計算してまとめるが、格納庫は心の中に作るに留める」という内容。

 ―頭にハテナがいっぱい。え…ナニコレ…。

 以下、感想をつらつらと。

 

 

日本の土木・建設業の凄さをポップに

 具体的な専門用語が飛び交ったり、実際の現場の様子を窺えたりと、資料映像やドキュメンタリー映画のような情報量なのですが、作風は至ってポップ。難しい事を難しく語るのではなく、ある程度軽やかに、それでも仕事や技術に対する熱意は冷めぬように、表現されていたように思われます。

 「マジンガーZの格納庫を作る」という、文字通り夢のような仕事に取り組む事の楽しさ、実現不可能に思える仕事を現実にしていく技術の素晴らしさの表現に重きを置いた作品だったかなと。

 

 また空想を現実にするという、凄いバカみたいな企画ではあるんです。しかしこういった「余裕」が、企業には大事だったりするのかなと思います。技術を磨くと言う意味では、既存の仕事では限界があるので、きっちり予算を割いて技術革新に繋がる事業に取り組んでいくのは、発展の為には必要なのではないでしょうか。ただ…映画では予算降りてないっぽいんですけどね…。まぁ、計画だけだから仕方ないのかもしれませんが…。

 

 

エンドロールへの創意工夫

 エンドロールで帰っちゃう人、気持ちは分からなくもないんですけどね…。私としては、あの流れる映像ですら作品だと思っているので、最後まで見て欲しいと思う次第です。

 そんな思いを知ってか知らずか、本作のエンドロールは非常にポップな映像でした。エンドロールも作品の一環とばかりに、デフォルメされた会社の備品に次々と表示されるクレジット。海外の映画では、途中まで何らかの映像が流れ、後半は文字だけというものもありましたが、今回は最後までポップ。非常に楽しかったです。

 

 

映画の中で過る上司への不満(個人的見解)

 前提として、小木さんの演じるアサガワが素晴らしかったんですよ。素晴らしく私の癇に障る上司で、見ていてお腹が痛かったです。これは見る人の職場環境にもよると思うのですが、「思いつきを仕事に提案しちゃう上司」「我儘な上司」は、正直つらいところがあります。実話を元にした話なのであんまり強くは言えないのですが、ここからは個人的な私の愚痴。

 まず上映中ずっと「上司のワンマンプレーに付き合わされている」という状況が、ネオンライトのように輝いていて気になりました。物語上、部下は各々に目覚める場面があって、結果的にはみんな1つにまとまって、やる気漲る状態で仕事に注力していたから良かったのですが…。

 あと提案するならある程度実現可能かどうかの判断や下調べはして欲しいし、仕事をする以上予算は割いて欲しい。また「その工程は地味だから」とあからさまにいい加減な態度を取るのは、提案者としてどうなんだろうとも思う次第で…。部下の頑張りは頑張りで評価して欲しいのと、自分の楽しさだけを追求した仕事を部下にも追求しないで欲しい。

 ...素晴らしく癇に障る上司でした、アサガワ。そして上映中ずっとしんどい思いをさせてくれた小木さんの表現も良く、非常に腹立たしかったです。ほんと、お腹がキリキリと痛む映画でした…。

上司と部下の教科書

上司と部下の教科書

 

 

 

「仕事が楽しい」ほど、幸せな事は無い。

 最初は乗り気じゃなかった部下達も、それぞれに仕事に対する面白いところを見つけ、情熱を燃やしていく工程は、見ていて羨ましかったですね。自分のやっている仕事を面白いと思えるようになるのは、非常に良い事だと思います。

 先天的にしろ、後天的にしろ、「やりたい事が仕事に直結している」「仕事に興味を持っている」というのは、幸せな事だなと思います。人生の大半は仕事に時間を費やさなければいけませんからね。どうせやるなら楽しい方がいい。

 

 原作だと、他の作品にも着手しているようで、表紙を見る限り『銀河鉄道999』と『機動戦士ガンダム』、また映画のラストでは『宇宙戦艦ヤマト』にも着手しそうな展開を見せていました。果てして、日本の技術はどこまでいけるのか…。

映画『前田建設ファンタジー営業部』オリジナル・サウンドトラック