まるマッコリの日記(仮)

自分の思ったこと、好きなものを書いていきます。主に特撮やFGO。

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『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』感想 推理もの初心者の私が、何故この映画を楽しめたのか。

 『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』 、鑑賞しました。

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 推理ものって、どう見るか悩みませんか?たぶん犯人捜ししながらの方が楽しめるんでしょうが、恥ずかしながら私、物語を見ていてもイマイチピンとこないんですよね。矛盾点探すのが苦手みたいで…。かと言って何となく見るのも違う気がしてならない…。果たして正解は如何に。

 まぁでも、トリックが暴かれる瞬間は、何となく見ていてもそれなりにビックリできるので、作品がつまらないなんて事がないのは幸いですかね。ちなみに一番好きなトリックは『名探偵コナン』の「呪いの仮面は冷たく笑う」。オカルトチックな演出が放送当時痺れました。

第184話「呪いの仮面は冷たく笑う」

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 さてさて。映画の話を戻ると、今回の映画は推理もの。感想を書くにあたってやはり考慮しなきゃいけないのが、犯人が誰だったか等のネタバレ。いろんな人の感想を読んできたのですが、ネタバレにならないように感想を書いていた人、ネタバレありきである事を告知して感想を書いていた人と様々でしたね。

 当ブログでは「感想つらつら」表記が実質「以下ネタバレ含みます」表記としているつもりなのですが、今回は改めて表記させていただきます。以下ネタバレ含みます。

  と言っても、「トリックは○○でした」「犯人は○○でした」なんてストレートに書くのはさすがに興醒め。せっかくの私の感想の場なので、「推理ものを楽しむ術を知らぬ人間が如何にこの映画に引き込まれたか」を書いていこうかなと思っています。

 以下、感想をつらつらと。

 

 

 事件が起きて容疑者の取り調べからスタートする本作。真犯人以外の容疑者の嘘があらかじめ視聴者にだけ披露されている事で、素人の私でもぐっと引き込まれるんですよ。有名なところだと『古畑任三郎』あたりがこのスタイルでしたね。どうやら「倒叙もの」と言うらしい。

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 結局真犯人は別にいたので、この映画が倒叙ものかと言われればたぶん違うのですが…。
 先に嘘が明かされるという意味での「古畑任三郎スタイル」。私みたいな素人には非常にありがたいんですよね。このスタイルのおかげで、楽しむポイントが一気に絞られてくる。

 犯人が分からぬまま証拠を集めていくストーリーだと、私みたいな素人にはちっともピンとこないんです。多少怪しいなと思っていても、その怪しさを解消させる道筋までには至らないので、結局探偵の答え合わせを待つしかない。加えてあれもこれもと疑ってしまうので、物語への注意力が散漫になってしまうんですよ。

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 しかし、今回の嘘をばらしてくれるスタイルだと、「何を怪しむべきか」「どのように容疑者がごまかしていくか」の2つに絞って、物語を楽しむ事ができるんです。誰が嘘をついているかが分かっているので、疑いをかける人間は明確化されていますし、疑う人間が明確になっているからこそ、探偵と犯人のやりとりに緊張感が生まれる。探偵側の視点からみればどう暴くか、犯人側の視点から見ればどう回避するかを、割とはっきり意識する事ができるから、物語をぐっと楽しむ事ができるんですよ。

 

 

 さらに良かったのは「嘘をつくと吐く」という特徴を持ったマルタの存在。この特徴のおかげで、注目すべきポイントがさらにに絞られてくる。家族全体を見てきたマルタがこの特徴を持っているのがなお良いです。視聴者用のウソ発見器とでもいいましょうか、何を信じて良いのかが明確化される。言い換えれば、証言対して判断基準ができるので、物語での証言や事象を整理しやすくなります。

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 上記の様に必要要素が明確になっているから、最後の推理ショーで得られる納得感が尋常じゃない。「チェーホフの銃」がしっかりと発砲する瞬間を感じる事ができるんですよ。「あぁグレートの“また”はそういう事だったのか」「犬が吠えたタイミングはここだったのか」などなど。じゃんじゃん舞台上に用意された銃の引き金が、次々に引かれていくのを実感できる。実に気持ちが良い。

 もっと言えば、舞台上に用意してない銃の引き金を引かないのも良かったですね。マルタが通った道をランサムも通ったといった展開とか、お話で出てこなかったものが登場しない事でスッキリとした印象を持てます。

 

 後は細かいところにもギミックが仕込まれていたのも面白い。「最初に登場したマグカップが最後にいい味を出してくる」「父親に鍛えられたリンダがあぶり出しの手紙に気づく」などなど。細かいところまでフラグ回収がきっちりなされていた事が、実に爽快でした。そうそう、嘘ついた時の吐しゃ物がランサムへの反撃になるとは(笑)。

 

 

 さてさて。つらつら面白かった要素を書いてきたわけなんですが、もちろん真犯人が別にいたという要素も「楽しかった」という感想に一枚かんでいます。ただこの要素も、前述した分かりやすさがあったからこそ、楽しめたのではないかなというのが個人的な感想。

 ついでに、さらに個人的に好きな点を挙げるなら、探偵ブノワのキャラクター。『古畑任三郎』もそうですが『刑事コロンボ』とか『相棒』とか、ああいう飄々とした探偵に弱いんですよね…。ああいう大人に、私はなりたい。

 

 

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 映画の帰りに「続編があるといいね」なんて彼女と話してたんですが、どうやら準備はしているらしい。やったぜ。

 とまぁ続編を期待してしまうくらいには、私としては珍しく推理ものを楽しんでいました。いやー気持ちよかった。金銭的にもスケジュール的にも結構無理して見に行ったのですが、鑑賞できて良かったです。2時間があっという間でした。

 …「倒叙もの」、私のツボなのかもしれません。

『スーパー戦隊MOVIEパーティー 劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー/魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』感想 タイトルの長さ通りのパーティー感、エンジョイしなきゃもったいない。

P.A.R.T.Y

スーパー戦隊MOVIEパーティー 劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー/魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』、鑑賞しました。

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 久々のVSシリーズ。しかも今回は新戦隊もやってくる上にプリキュアも踊っちゃうという夢のコラボレーション。ヒーローが渋滞しているカオス感、私は好きです。

 …ただ恥ずかしながら、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』をオンタイムで追えてないんですよね。今一生懸命後追いしているところです。具体的には40話まで視聴済み。やっと背中が見えてきたところです。噂には聞いていたんですが、なんというか、「リュウソウ族」らしさが中々味が出てますね。ある意味これまでの戦隊にない独自性があると思います。割と私は好きです。

 そんなリュウソウ族とルパパト勢とのクロスオーバー、加えて新勢力『魔進戦隊キラメイジャー』のスタート、プリキュアとのダンス。どうなるのこれ(笑)。

 以下、感想をつらつらと。 

 

 

VSパート

 VSパートは非常に緻密に作り上げられていたと思います。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』、『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』が持つ特徴が見事にかみ合って交わるのが、見ていて気持ちが良かったです。

 どちらかと言えば、ルパパトの世界にリュウソウが入り込んできた印象なのですが、ルパパトの方が先輩ですし、ルパパトの物語が完結している分、リュウソウの面々を誘導する余裕があると思うんですよね。だから、物語の主導権がルパパトにあっても何ら問題は無いかと個人的には思います。

 

 とはいえ完全にルパパトのペースかと言われればそうでもなく、何より騎士竜がピンチに陥る話なので、きちんとリュウソウのお話としても描かれています。コウ達の騎士竜に対する思いを感じさせる内容となっており、その決断や行動には、これまでのような「リュウソウ族らしさ」を感じさせる場面も。この合間に、魁利達のその後、圭一郎達とのその後を感じさせてくれて、VS作品に相応しい見事なクロスオーバーだったなと思います。

 

 敵のギミックもVS作品らしくそれぞれの戦隊のギミックが入り混じっていて非常に強力。マイナソ―を倒す為にギャングラーを倒したいが、ギャングラーを倒す前に騎士竜達を救わなければならないと言う二段構えが、非常に良かったです。

 最後の戦闘シーンなんかも、各々の戦隊の武器を交換し合って戦うのは、非常に滾りましたね。リュウソウジャーの面々がダイヤルファイターやトリガーマシンを使い、ルパパト勢はリュウソウルで強化。時にはそれらを組み合わせて戦ったりと、非常にバラエティ豊かな戦闘でした。めちゃくちゃ楽しかった。最後まで良く組み合わさったVS作品だったと思います。

 

 

キラメイジャーパート

 キラメイジャーパートはエピソード0と言う事で、主要人物の紹介としては十分な内容だったかなと思います。敵も味方も、そのキャラクターの概要を何となく掴む分には十分だったかなと。まさにエピソード0。キラメイジャーの戦闘スタイルも垣間見えて、期待値を上げる導入としても申し分ないお話でした。

 あとキラメイストーンね。記者会見の時も思ったけど、思ったよりでかい…。そしてまさかあのまま自走するとは…。いや宝石の国・クリスタリア、中々凄い国やぞ…。

 

 

ダンスパート

 最後のダンスでは、キラメイジャーとキラキラ繋がりで『スター☆トゥインクルプリキュア』の面々が登場。プリキュアのエンディング曲に合わせてキラメイジャーもダンス。その後は、リュウソウ、ルパパト、キュアエールとキュアグレースも仲間に加えてケボーンダンスで締め。いや、凄いね。ほんとにみんなで踊ってるよ。

 

 私が鑑賞した際、このダンスパートがスタートする前に帰ってしまうお客さんが結構いらっしゃったのですが、どうやら子供達には大好評のようで、私的には一安心。小さい時って、お兄ちゃん、お姉ちゃん、または弟や妹の都合に合わせて、興味が無い戦隊やプリキュアに付き合わされる時あるじゃないですか。その辺を解消してくれたのが、今回の企画だと思うんですよね。大人からするとごった煮感があって確かに途惑う感じもあるとは思うのですが、子供からすれば、大好きなヒーローが満遍なく登場して踊っている訳で。お子様ランチみたいな状態だと思うんですよね。何かしら1品好きなものがある状態。そりゃテンションあがりますよ。

 次回もあるかどうか分かりませんが、ぜひ継続して戦隊とプリキュアが躍っていて欲しいなと思います。個人的にも楽しかった(笑)。

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来年もぜひ

 内容も盛沢山でしたが、文字通りパーティー感があって良かったですね。結構楽しめました。VSシリーズは一時は途絶えてしまっていたので、復活してくれて嬉しくもあったり。いやぁ、良かった良かった。

 来年もぜひまたやって欲しいな、このパーティー…。

『ジョジョ・ラビット』感想 軽快さの中に確かなメッセージ性、必ず最後に愛は勝つ。

 『ジョジョ・ラビット』、鑑賞しました。

ジョジョ・ラビット (オリジナル・サウンドトラック)

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  高校では世界史をとっていなかったので、正直歴史的背景への理解は乏しいです。なので、ナチスドイツやヒトラーについては、NHKの番組で知った程度のざっくりとした知識しか持ち合わせていません。

 それでもこの映画を見たいと思ったのは、子供が主人公である事と、予告のポップさ。第二次世界大戦中のドイツとは思えない作風に、妙な期待感が募りました。戦争が舞台となっている作品は、その多くはシリアスな雰囲気で、悲しい結末を迎えるものが多い印象。決してそんな映画が嫌いなわけではないのですが、「この映画はいつもと違うな」という期待と好奇心を掻き立てるものが、本作の予告にはあったのです。


タイカ・ワイティティ監督がヒトラーに!映画『ジョジョ・ラビット』日本版予告編

 

 ナチスドイツという負の歴史を舞台に、こんなにも軽やかに予告するこの映画。少年らしい少年兵・ジョジョ、コミカルな内なる友達・ヒトラー、むしろ挑戦的な作品だと私は思いました。そのチャレンジスピリッツにどこか高揚感もあったりして…。とにかく、この映画が楽しみで仕方なかった。

 以下、感想をつらつらと。

 

 

 「正義を信じた少年が、愛によってその正義の定義を改めていく」のが本作。少年漫画のような、王道でハートフルな作品だったと思います。そんな作風だからこそ、ジョジョナチスへの忠誠心が痛く染みます。子供ながらの純粋さ故に、ヒトラーの事を正義だと、ヒーローだと信じているんですよ。内なる友達としてヒトラーが存在している事からも、彼の忠誠心の高さが分かります。

 彼の心が弱ったときに、ヒトラーが鼓舞してくれるのが、また何とも皮肉めいているというか。悪しき歴史として後世で語り継がれている存在も、当時はヒーローの様に崇めていた人達がいたんだなという普遍的な事実を、まざまざと見せつけられます。ジョジョヒトラーのやりとりは非常にポップで楽しくて、思わず笑ってしまう場面も多々あったのですが、笑う度に心にチクっと何かが刺さる。そんな映画でした。

ジョジョ・ラビット (オリジナル・サウンドトラック)

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  • 発売日: 2019/10/18
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 そんな根っからのナチス支持者であるジョジョが、密かに反ナチスを掲げる母親・ロージーや、母親に匿われていたユダヤ人少女・エルサなど、時代に流されない人々との関わりの中で様々な愛情を学んでいきます。「愛は最強」と謳う本作。ジョジョが人間らしく成長する過程にあったのは、人を愛する事の素晴らしさを説くロージーの愛情だったり、時代に翻弄されながらも自分の意志で強く生きるエルサの姿だったり、ジョジョの周りの人間には、幸運にも「自分らしさ」に溢れた人ばかりでした。

 様々な愛情を感じたからこそ、ジョジョの中で揺れが生じるんですよ。それが非常に分かりやすく描かれている。それが、内なる友達ヒトラー。物語が進むにつれて内なるヒトラーが私達が知るようなヒトラーらしくなっていき、ジョジョとの対立が深まっていく。これが非常に良い。曲がりなりにも後世の歴史を知る人間としては、心の中で密かにジョジョに声援を送ってしまうのです。そうだ、ジョジョヒトラーとはそういう人物なのだと。

 

 ヒトラーらしさが高まったという事は、ジョジョの中で「ヒトラーはヒーローではない」という違和感が強まったって事ですし、愛国心ではない、ジョジョ自身の自我が芽生えてきている証拠だと思うんですよ。自我が芽生えていくから、内なるヒトラージョジョの意見が合わなくなる。少しずつナチスへの認識に変化があったからこそ、内なるヒトラーは協力的ではなくなる。ジョジョが戸惑う場面も増えていくのですが、迷いながらも「人間らしく」生きていく道を進んでいくのです。これがどんなに希望に満ちていた事か。観客の私としては、非常に喜ばしかったです。

 何も知らない少年が、戦争と言う間違った常識の中で人の愛情に触れ、人への愛情を感じ、人の愛情で生かされる。そして、人への愛情を持って人となる。人間賛歌、愛情賛歌とでも言うべき本作は、戦争憎しではない軽快な作風であれど、中にはものすごく力強いメッセージが込められていたと思います。

ジョジョ・ラビット (オリジナル・スコア)

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  • 発売日: 2019/10/18
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 良かったのはシナリオだけではありません。ポップな作風にあった音楽が非常に秀逸で、聞き心地が良いです。あくまでも1人の少年が大人になっていくお話。戦争と言う舞台の中でも、未来ある若者のひと時を明るく彩る楽曲が使用されていました。さしずめ応援歌のように。

 また、街並みやジョジョ達の服装なんかもオシャレで、戦時中である事を忘れさせます。決して華やかなわけではないのだけど、貧しい生活を送っている事は分かるのだけれど、それでも明るい。とにかく細部まで楽しい映像でした。

カールじいさんの空飛ぶ家 (オリジナル・サウンドトラック)

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 極めつけは、そのメッセージ性の強いシナリオに負けない役者陣の熱演。個人的に特にお気に入りなのは、1人ながらも子への愛に溢れたロージーを演じるスカーレット・ヨハンソン。彼女の演じる母親無しには、ジョジョという人間の成長譚は成立しなかったでしょう。言葉だけでない、その表情、その仕草、その空気感から、我が子への愛に、未来への希望に満ちている。その姿は、非常に理想的な母親そのものだったと思います。

 もちろん、今回が初主演となるジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビスの無垢な少年っぷりは物語の重要な核でしたし、エルサ役のトーマシン・マッケンジーの纏う強さには、ジョジョを成長させるに十分な刺激がありました。サム・ロックウェルの演じるクレンツェンドルフ大尉の最後には涙が止まらなかったし、レベル・ウィルソンが演じるミス・ラーム、タイカ・ワイティティが演じるアドルフ・ヒトラーには、知識に乏しい私ですら恐怖してしまう程、悪しき歴史の担い手として表現されていたと思います。

LUCY/ルーシー (字幕版)

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マイティ・ソー バトルロイヤル (吹替版)

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 楽しい映画でした。しかし非常にメッセージ性の強い映画でもありました。一見してミスマッチであろう舞台と作風が見事に合致していて、だからこそ非常に感動的でした。新鮮味に溢れているのに、普遍的で重要な事を改めて突き付けてくる本作。人に愛され、人を愛する事から人であり始める事を改めて気づかされ、自分の在り方を顧みるばかりです。

 今はただ、良き人達に囲まれていたジョジョが本当に羨ましいですよ(笑)。

愛は勝つ

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新しいもの・流行っているものに、悔し涙を飲むときがある。

 普段人に相談するのって苦手なんですよね。「何言ってんだこいつ」って言われるのが怖くて。結局1人で悩んでしまうのがいつものパターンなんです。が、聞きたい事は無いのかと言われれば、それはまた別の話。優柔不断な私は、基本的に人に相談したくなるたちでして…。そう、面倒くさいんです。私。

 

 結騎さんが極まれに呟く「相談あったらどうぞ」的なツイート。毎回目にしては相談内容を考えるものの、「こんな事相談してどうなるよ」と尻込みするのが通例だったのです。だから今回も、他の人の相談内容を見て満足しようと思っていたのですが…。

 ―今回はいつも以上に悩ましい事があったので、意を決して相談をぶつけてみました。

 

 とにかく、とにかく「新しいもの・流行っているもの」への参入が、異常なまでに苦手なのです。特にアニメや漫画と言った二次コンテンツの新規や流行への途中参入が涙が出る程悔しい。理由はいろいろあるんですが、「自分が流行りに乗れていない事実が悔しい」「“ニワカ”っぽさが出るのが嫌だ」に嫉妬心が絡んでくるのが、主な理由です。

 今なんか『鬼滅の刃』が異常なまでに抵抗感があるんですよ。誰かが面白いという度に、私の気持ちが黒く澱んでいくのを感じます。よく聞くラジオ番組で紹介された時は、悔しさで涙を流した程でした。

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 しかしまぁ、新しいものや流行ってるものに対して嫌悪感を示したままでいるのも非常に苦しいというか。面倒くさい私は、世間に置いて行かれるのも嫌なので、なんとか手を出したいとも思っている始末。常に相反する気持ちを抱えながら、二次コンテンツと向き合う日々を送っています。

 結騎さんは時折、「老害にはなりたくない」という趣旨のツイートをされていて、私から見れば、意欲的に新しいものや流行っているものに参入しているように見受けられました。そこには何か秘訣があるのか、あるとしたらご教授願いたい…と、上記のような質問を意を決してぶつけてみました。

 

 

 ...結局、覚悟を決めるしかないのですね。途中参加はどう頑張っても逃れられない事実。流れに取り残されるのが嫌なら、苦しい思いを飲んででも、流れに飛び込む他無いのです。

 しかし、苦しい思いを飲み込んで飛び込んだ流れは、乗れるにしろ乗れないにしろ、その時代の傾向を知る事になるのも事実。映画や漫画の感想を綴る人間としては、非常に有益な収穫となる事でしょう。また傾向が分かれば、流行る前にコンテンツに乗っかる事も可能になると思うので、幾分か次回のハードルを下げられる気がするのです。

 

 もう1つ、私が質問をぶつけていた頃に甘夏さんが「今の流行を見てみた上での自分のインプット、としていくのも一つの手」だとツイートされていて、幾分か飛び込むハードルが下がった気がしました。「流行っているものを後追いする自分」を自覚するから辛くなるのであれば、客観的に流行りを眺める視点に切り替えれば、自分の感情と切り離してコンテンツを追いかけるのかなと。いや…Twitterで相談してみるもんやな…。

 

 

 とはいえ、これで『鬼滅の刃』に飛び込めるかと言われればそれはまた別の話。理解 はできても、実際に覚悟を決めるとなると…もう少し時間がかかりそうです。しかし流行りにおいて行かれるのも苦しいので、近いうちにはなんとかしたい…。なんとかしたいとは、思っているんですけどね…。

 どうあがいても私は私でしかないので、このめんどくささを引き連れて、なんとか飛び込む覚悟を決めていけるように、これから精進していきます。私も老害にはなりたくないので…。

困った老人のトリセツ (宝島社新書)

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『パシフィック・リム』を初めて見たんだけど、感想がこの一言に尽きる。

映画館で見たかった…!

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 もうこの一言に尽きます。なんだこの映画は…。最高か?家で映画見てこんなにも滾った事ないぞ…。そしてこんなに後悔した事もない。過去にCGの凄いロボット映画はいくつもあって、その度に「映画館で見ればさぞ迫力があるだろうな」と考えた事はあっても、「映画館で見たかった」とこんなにも後悔した事はありません。何が良かったってもうほとんど全部。

 つらつら書き並べていくから良かったら見てって。

 

 

導入からタイトルまでの流れが良い

 KAIJUが攻めてきたきっかけ→成す術の無い人類→イェーガー操縦システム開発の苦難→人類が初勝利→一時の平和→再び敗北までの導入がいいですね。絶望からの苦難、希望を勝ち得てまた絶望の落差が感情を盛り上げます。

 KAIJUが襲う場面やそれに伴う世界の混乱が、ニュース越しに描写されていたのが不安な気持ちを煽るんですよ。加えてイェーガー操縦システムで苦難が描写されていた事で、あの希望がポッと出ではない事が強調され、リアリティが生まれる。KAIJUとの戦闘がエンタメへと昇華していったのも実に人間らしさがあって良い。

 そして最後に圧倒的な敗北で締める事で、対KAIJUへの緊張感が高まったまま本編へと誘われる。前のめりになったまま映画に没入する事ができるんですよ。導入の盛り上げ方が程よい落差で、非常に心地よいんですよね。

Pacific Rim (Original Motion Picture Soundtrack)

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イェーガーが良い

 まずシンプルなのがいい。どちらかと言えば肉弾戦に特化したデザインが男心を擽ります。殴り合いができる二足歩行ロボットっていいよね…。CGの質感が鈍いのも良い。かっこいい。国ごとに特徴が出ていたのも良い。そうそう、そういう個体差にオタクは弱い。

 操縦席に出てくる電子モニターとスイッチの数々。近未来と現代の科学が程よく融合している描写が、またいいんですよね。スーパー戦隊のロボットとは違う武骨な感じのコックピットが、「戦う為に作られた」感を盛り上げてくれるんですよ。

 あとはKAIJUとの戦闘シーン。バシバシ殴る、蹴る。バシバシぶっ放す。取っ組み合って、至近距離で一発かまして、一発かまされて。投げ飛ばしたと思ったら投げ飛ばされて、投げ飛ばされたら体勢立て直してまた突っ込んで。時には片腕が容赦なくもがれ、盛大に敗北する。決して綺麗では無い泥臭い戦いが、これまた男心を擽るんですよね…。

 濡れながら戦闘を行う描写が多かったのも、個人的には刺さりました。雨に打たれながらの戦闘、海での戦闘。とにかく濡れるイェーガーがかっこいい。刺さる。

 とにかく滾る、刺さるが、イェーガーには詰まってました。

 

 

声の配役が良い

 元エースで無頼漢な杉田智和。復讐に燃えるクールビューティー林原めぐみ。現エースで生意気な浪川大輔。頼れる父親池田秀一。絶対的司令官玄田哲章陰キャ怪獣オタク古川徹。ひねくれ数理学者三ツ矢雄二。仕事のできる管制官千葉繫。このメンツの中でもしっかりキャラが立っていたケンドー・コバヤシ。

 「ぼくがかんがえたさいきょーのやくしゃじん」って感じ。理想的過ぎて眩暈がします。各声優さんの代名詞的な役どころに割と近いところで配役がなされているので、個人的性癖にクリティカルなんですよね…。

 確かにこの配役は、洋画の吹き替えとしてはアニメ色が強いです。しかしどの役者さんも、「割とリアルよりの芝居」「舞台映えする芝居」をされる方ばかりなので、私としては違和感は感じませんでした。

 

 

シナリオがいい

 記憶を共有システム作ってた→KAIJUの目的を探れるの流れがスムーズだと思いましたね。「KAIJUの目的を探る為に記憶を共有する装置をわざわざ作りました」みたいなご都合主義が極力排除されていたように見受けられたのが良かったんですよ。

 あと「敵の電磁パルスで最新機器が戦闘不能に→旧型機なら戦える」の流れよ。オタクが好きなやつよこれ。しかも「KAIJUは作られた存在」「これからさらなる猛攻が始まる」事が明かされた上での電磁パルス攻撃、これもポッと出の技では無い、ある程度導入が示唆されていたのがスムーズだなぁって。

 エモさの中にもきちんと整合性がとれていて、見ていて非常に気持ちがよかったです。

 

 

まとめます

 豪快、盛大。それでいてきちんと理屈は通っている。勢いのまま突き進む映画もいいですが、勢いの中にも理論のある映画も素晴らしいと思います。

 …だからこそ、大画面大音響ならさらに楽しい事になっていたはず。うーんもったいない事をした…。いやほんと、この映画の感想はこの一言に尽きます。

 映画館で見たかった…。