映画館で見たかった…!
もうこの一言に尽きます。なんだこの映画は…。最高か?家で映画見てこんなにも滾った事ないぞ…。そしてこんなに後悔した事もない。過去にCGの凄いロボット映画はいくつもあって、その度に「映画館で見ればさぞ迫力があるだろうな」と考えた事はあっても、「映画館で見たかった」とこんなにも後悔した事はありません。何が良かったってもうほとんど全部。
つらつら書き並べていくから良かったら見てって。
導入からタイトルまでの流れが良い
KAIJUが攻めてきたきっかけ→成す術の無い人類→イェーガー操縦システム開発の苦難→人類が初勝利→一時の平和→再び敗北までの導入がいいですね。絶望からの苦難、希望を勝ち得てまた絶望の落差が感情を盛り上げます。
KAIJUが襲う場面やそれに伴う世界の混乱が、ニュース越しに描写されていたのが不安な気持ちを煽るんですよ。加えてイェーガー操縦システムで苦難が描写されていた事で、あの希望がポッと出ではない事が強調され、リアリティが生まれる。KAIJUとの戦闘がエンタメへと昇華していったのも実に人間らしさがあって良い。
そして最後に圧倒的な敗北で締める事で、対KAIJUへの緊張感が高まったまま本編へと誘われる。前のめりになったまま映画に没入する事ができるんですよ。導入の盛り上げ方が程よい落差で、非常に心地よいんですよね。
イェーガーが良い
まずシンプルなのがいい。どちらかと言えば肉弾戦に特化したデザインが男心を擽ります。殴り合いができる二足歩行ロボットっていいよね…。CGの質感が鈍いのも良い。かっこいい。国ごとに特徴が出ていたのも良い。そうそう、そういう個体差にオタクは弱い。
操縦席に出てくる電子モニターとスイッチの数々。近未来と現代の科学が程よく融合している描写が、またいいんですよね。スーパー戦隊のロボットとは違う武骨な感じのコックピットが、「戦う為に作られた」感を盛り上げてくれるんですよ。
あとはKAIJUとの戦闘シーン。バシバシ殴る、蹴る。バシバシぶっ放す。取っ組み合って、至近距離で一発かまして、一発かまされて。投げ飛ばしたと思ったら投げ飛ばされて、投げ飛ばされたら体勢立て直してまた突っ込んで。時には片腕が容赦なくもがれ、盛大に敗北する。決して綺麗では無い泥臭い戦いが、これまた男心を擽るんですよね…。
濡れながら戦闘を行う描写が多かったのも、個人的には刺さりました。雨に打たれながらの戦闘、海での戦闘。とにかく濡れるイェーガーがかっこいい。刺さる。
とにかく滾る、刺さるが、イェーガーには詰まってました。
声の配役が良い
元エースで無頼漢な杉田智和。復讐に燃えるクールビューティー林原めぐみ。現エースで生意気な浪川大輔。頼れる父親池田秀一。絶対的司令官玄田哲章。陰キャ怪獣オタク古川徹。ひねくれ数理学者三ツ矢雄二。仕事のできる管制官千葉繫。このメンツの中でもしっかりキャラが立っていたケンドー・コバヤシ。
「ぼくがかんがえたさいきょーのやくしゃじん」って感じ。理想的過ぎて眩暈がします。各声優さんの代名詞的な役どころに割と近いところで配役がなされているので、個人的性癖にクリティカルなんですよね…。
確かにこの配役は、洋画の吹き替えとしてはアニメ色が強いです。しかしどの役者さんも、「割とリアルよりの芝居」「舞台映えする芝居」をされる方ばかりなので、私としては違和感は感じませんでした。
シナリオがいい
記憶を共有システム作ってた→KAIJUの目的を探れるの流れがスムーズだと思いましたね。「KAIJUの目的を探る為に記憶を共有する装置をわざわざ作りました」みたいなご都合主義が極力排除されていたように見受けられたのが良かったんですよ。
あと「敵の電磁パルスで最新機器が戦闘不能に→旧型機なら戦える」の流れよ。オタクが好きなやつよこれ。しかも「KAIJUは作られた存在」「これからさらなる猛攻が始まる」事が明かされた上での電磁パルス攻撃、これもポッと出の技では無い、ある程度導入が示唆されていたのがスムーズだなぁって。
エモさの中にもきちんと整合性がとれていて、見ていて非常に気持ちがよかったです。
まとめます
豪快、盛大。それでいてきちんと理屈は通っている。勢いのまま突き進む映画もいいですが、勢いの中にも理論のある映画も素晴らしいと思います。
…だからこそ、大画面大音響ならさらに楽しい事になっていたはず。うーんもったいない事をした…。いやほんと、この映画の感想はこの一言に尽きます。
映画館で見たかった…。
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