まるマッコリの日記(仮)

自分の思ったこと、好きなものを書いていきます。主に特撮やFGO。

まるマッコリの日記(仮)

旧アニメ『狼と香辛料』感想 再アニメ化に向けての期待

 先日『狼と香辛料』の再アニメ化が発表され、その放送日が差し迫っている。発表直後はSNSを静かに騒がせた。(公式サイト:https://spice-and-wolf.com/

 かくいう私もこの事実に小躍りした一人であり、旧アニメを食い入るように視聴していた古いアニメオタクである。キャストも前回と同じとあって、小躍りはより一層激しさを増していった事は、皆さまにも理解していただけるだろうか...。

狼と香辛料 (電撃文庫)

 

 『狼と香辛料』。視聴、あるいは原作をお読みになった方なら共感していただけるだろうが、このお話はとにかく「見逃せないポイント」が多い。無能な私の脳みそには刺激的な事この上ない作品である。
 現代のような一律の貨幣制度がまだ成立していない時代の商売の話、教会と言う不可侵の力が強い時代の宗教の話、そして損得や人情に右往左往する人と人との信頼の話。刺激が強い分、その1つ1つを取りこぼさないよう聞き取り、整理する事に、放送当時は楽しく必死になった。

 

 新アニメ化に伴い、旧作を見直している訳だが、やはり何度見ても良い。特に役者陣の芝居の質感には毎度舌を巻く。

 『狼と香辛料』。主人公ロレンスを福山潤さん、賢狼ホロを小清水亜美さんが演じている。放送当時の二人と言えば、アニメオタクなら誰もが知ってる売れっ子ルーキーの二人であったように感じる。
 芝居が上手い=売れっ子、という単純な話ではないのだが、お二人の芝居は私にとって抜群の面白さだった。

 

 前述したが、この作品はとにかく難しい内容が複雑に行き来する。それに伴って用いられる言葉も難しい。そんな世界に生きているが、頭の回転が速いやり手の商人ロレンスと神として崇められるような長命の賢狼ホロである。表現するとなると、その芝居には「聡明さ」や「知性」を感じさせるものでなくては成立しない。

 しかし、ロレンスは年齢的にはまだまだ若く(時代設定を考えれば中堅ポジションとも言えなくもないが…)、ホロの性格は見た目通りの年頃の娘である為、そこには未熟さを感じさせる。

 商売の時は賢く、普段は年相応に。といった性格ではなく、聡いときもあれば青い時もあるといった、ある種の人間らしさが、どちらにも備わっていたのだ。

 この絶妙なキャラクターの塩梅を、当時の福山さんと小清水さんは絶妙に表現されていた。少なくとも私の感性では魅入られる表現であった。今でも前線で活躍されているお二人だが、若い頃から凄い方々だったと、魅入られるお芝居を体現できる方々であったと思っている。

 

 もちろん他のキャストの方々も例外ではない。クロエを演じた名塚佳織さんや、ノーラを演じた中原麻衣さんのお芝居も言葉では尽くせない。ここに名前を挙げてない方々も同様に素晴らしいかったのだ、という事を前提として、今回はメインキャラクターだった福山さんと小清水さんに絞って、この記事を締めていきたい。

 旧アニメから幾ばくかの時間が流れた。福山さんも小清水さんも、ありがたい事に今でも現役の役者さんで、前線に立たれている。故に今回の新アニメ化には、旧アニメよりもより芳醇で成熟した味のロレンスとホロが見れるのでは?という期待を抑えられない。キャリアを積んでより深みを増したお二人が、再びロレンスとホロの旅路に色を添えていく事実に、ワクワクが止まらないのだ。

 

 もうすぐ4月。赤く熟した林檎のように、甘酸っぱくも味わい深いロレンスとホロの姿を想像し、今はただ微かに漂う香りだけでも感じようと、想いを馳せるばかりである。