誰に、と言うわけではないのですが…。
上京したての頃、学生の頃からの夢の勉強を始めた関係で、同じ志を持つ友人がチラホラできました。環境が変わるにつれて徐々に減っていき、今でも交流を続けている友人は片手で数える程になりましたが、たまにご飯に行きたくなるぐらいには、大事な友人達です。主にその友人達へ。
学生時代の夢。恥ずかしいので夢としか書きませんが、上京した私は夢の為の勉強ができるとあって、当時はものすごく明るい気持ちでした。やる気に満ち満ちており、決して上手ではなかったけど、褒められる事も多々あって、非常に充実した毎日でした。その当時の友人達とのやり取りも愉快で、現状の人生のピークはそこになります。
次第に環境が変わり、仲良くなった友人達との交流も薄くなっていったり、指摘される事の方が多くなったりして苦労が増えましたが、それでも「夢を追っている」という概念だけが、私を支えてくれました。学費を稼ぐ為の嫌いな仕事も、「夢の為」と考えれば、幾分か我慢も効きました。
さらに環境が変わってから、褒められる事は皆無になりました。私よりも後から入ってきた人間がみるみる認められ、私よりも夢に近い場所へと環境を変えていきました。
私はと言えば、足掻けども足掻けども夢には近づけず。人にも認めてもらえず。「それではダメだ」「そんなの受け入れられない」と否定される日々の繰り返し。嫌いだった仕事も何の為に稼いでいるのか分からなくなり、私は夢を追いかける事に疲れ、足を止めました。
今なお私の足は止まっています。止まっていると言うより「諦めた」と言いたくないという表現の方が正しいでしょうか。心のどこかでまだ夢に憧れながらも、精神的にも肉体的にも、ついでに金銭的にも、もうそこに向けるリソースが残っていないのです。
そんな状態になっても「諦める」「捨てる」という行為ができない自分に嫌気がさします。せめて潔さがあれば、もっと楽になれるのに。
昔は胸張って夢を語れたんですけどね、自分にはそれを叶える才能も、努力も、何もかも足りていないんだと悟った時、とたんに恥ずかしくなったんですよ。何世間知らずな事抜かしてんだろうって、現実見ろって。見てんだよ十分。
なんでこんな夢持ったんだろう、どうして私は諦めきれないんだろう、どうやったらまた動けるようになるんだろう、毎日そんな事ばかり考えています。考えている時点で、現実なんか見えていなんでしょうけど。
足が止まってから、正確には足が止まるちょっと前から、友人達が羨ましく思えてきました。私から見れば友人達の方が精力的で、なんだか順風満帆な様に見えるのです。
おそらく私と同じように、友人達も「上手くいかない」という思いを抱えながら苦労しているんだと思います。でも私の眼にはそうは見えなかった。見えなかったという事実が、私の心を激しくかき乱すのです。あいつはあんなに楽しそうなのに、俺には取り繕う余裕すらないんだと、憎くて憎くて、悲しくて悲しくて、しんどくてしんどくて仕方がなかったです。
今はだいぶ落ち着きました。それでも、今でも夢を追っている友人達の事を考えると、気持ちがモヤモヤします。この文章を書いている今もモヤっている。動く元気もないのに何モヤってんだよとも思いますが、今の私に元気がないからこそ、今なお動き続けている彼らの事を羨ましく思うんですよ。とても眩しく感じる程に。
こんな機会でもないと書けないので書いておこうと思ったのですが、今なお夢に向かって走れる友人達には、持てるなら希望を持って進んでいって欲しいなと願うばかりです。前に進むにしろ、後ろに進むにしろ、そこに希望があれば私はどちらでも良いと思っています。
私は絶望の中に失速していった人間なので、未練もタラタラ。せめて希望を持って足を止めれば、いくらか潔くもなれたのではと考えているので、とにかく希望を持っていて欲しいなと思います。…まぁ「失速していった」という事実がもう向き不向きを語っているようなもんなんですが。
彼らはまだ走り続けている。これだけでもう向いてるって事なんだと、才能があるって事なんだと思うんですよね。速いか遅いかは関係なんですよ。何事も動き続けた奴が勝者で、止まった奴は敗者なんです。友人達は今なお勝利し続けているし、私は敗北に甘んじている。敗者の思考なんか誰も気にも留めないでしょうが、それでも思います。持てるなら希望を持って進んで欲しいと。
上京してから出会った友人だけではないです。地元を愛するあいつにも、結婚するあいつにも、激務の中趣味に没頭するあいつにも、激務に埋もれて連絡が途絶えたあいつにも。失意にまみれた根暗な私は思います。持てるなら希望を持って進んで欲しいと。ほんと、思うだけなんですけどね(笑)
嫉妬にまみれながらも友人達の事を思い、しかしながら直接言う勇気も元気もないので、ここに記しておくに留めます。ただこれを見た友人達よ。何か嬉しいお知らせがあったら報告してね、俺の心はさらに荒れるけど。