毎度おなじみTwitterから情報を入手
『あの人の胃には僕が足りない(1)~(4)』、読了しました。
どなたかの告知ツイートを拝見したのがきっかけだったのですが、今回はTwitterでの1話公開ではなく、単行本1巻(kindle版)が無料というパターン。無料の2文字に飛びつくとは、我ながら卑しい…。
言い訳しておくと、告知ツイートと一緒に掲載されいた数ページのサンプルに興味を持ち、無料の文字に後押しされたというのが、この漫画を読み始めた流れです。無料でも興味が無かったらスルーします(笑)。
とは言え「1話無料公開」や「1巻無料公開」といったサービスは非常にありがたいですね。ある程度物語を読み進めてから、自分の好みかどうかを判断できるので、限られた財源を有意義に活用する事ができます。あれもこれもと手を出してしまう私としては、非常に助かっていますよ。
以下、感想をつらつらと。
『あの人の胃には僕が足りない(1)~(4)』読了
— まるマッコリ (@makkori04155) 2020年1月28日
愛するあの人が人じゃなくても関係ない
愛したのはあの人自身なのだから
欲望以上に愛情が勝る
私はあの人と一緒にいたいんだ#あの人の胃には僕が足りない#あの胃
あの人の胃には僕が足りない(4) (チョモラン 著)https://t.co/A7YquZIx7g pic.twitter.com/16nA7MOjwi
あらすじ
表紙に描かれているのは、本作の主人公、舟次蒔江(ふなつぎまきえ)と蒔江の思い人、満腹(みつはら)さち。この2人の恋模様を描いた甘酸っぱいラブコメディ…なのですが、ちょっとばかし秘密が。
この物語には「ワタリ」という怪異が存在しており、何故か蒔江は怪異とよく遭遇してしまいます。と言うもの、蒔江は「ワタリ」にとって美味しそうな匂いを放つ存在であり、蒔江の匂いに連れられて、様々な怪異が襲い掛かかってくるのです。
実はさちも、人ではなく「ワタリ」。さちは人間の様に過ごす代わりに、悪事を働く「ワタリ」を退治する役割を担っており、その役割から、蒔江と共に暮らす事を決意します。
憧れの人との同棲生活が始まったのはいいが、次々に襲ってくる「ワタリ」。果たして蒔江の運命や如何に…。
大好きな先輩が僕を欲しがって、すごく困る!
中学生の舟次蒔江(ふなつぎまきえ)は、ささやかな片思いをしていた。あこがれの彼女は、高等部に通う先輩、満腹(みつはら)さち。
「得意の料理で胃袋をつかんで、先輩のハートをゲットだぜ!」……なんて思っていた蒔江の甘い初恋は、さちが抱えた重大な「秘密」のせいで、前途多難な一大ラブ・ストーリーへと変貌を遂げる——。
あやうくカワいい恋愛╳怪異ファンタジー!
~モーニング公式サイト『あの人の胃には僕が足りない』より引用~
(引用元:https://morning.kodansha.co.jp/c/anohitonoiniwabokugatarinai/)
かわいい×おどろおどろしい
この漫画の何よりの特徴は「かわいい」と「おどろおどろしい」が混在しているところです。登場人物は皆かわいらしい容姿で、美男美女揃い。その辺りは他の漫画とも同じなのですが、「ワタリ」や「ワタリ」絡みの現象の描写が実に「おどろおどろしい」。簡単に言っちゃえば「キモい」です。見た人間の心をざわつかせる様な、異形の存在や現象と、可愛らしい登場人物達が混在している世界観が、私の興味を掻き立てます。
前述した、私がサンプルで気になったページに描かれていたのがこの「ワタリ」。表紙や人間のデザインには似つかわしくない、異物感の漂うページに心惹かれました。
人であろうとするさち・「ワタリ」を理解しようとする蒔江
さちもまた「ワタリ」。蒔江を食べたいと思う気持ちが無いわけではありません。人として蒔江を守りたいという理性と、蒔江を想っているが故に食べたいという欲求が葛藤するときもあり、苦労を感じさせるときもしばしば。危ない場面もありました。
それでも人であろうとするさち。天真爛漫で、溌剌とした性格のさち。「人として生きたい」という思いが彼女の性格を作り上げているのかと思うと、非常に愛おしいんですよね…。
蒔江の方は、「ワタリ」の事を知ってからも、変わらずさちの事を愛し続けます。時には他の「ワタリ」と親睦を深めたりして、「ワタリ」=敵と言う認識を持っていない様子。さちだけを特別扱いしているのではなく、「ワタリ」にもいろいろいる事を理解している様に見受けられます。
蒔江が「ワタリ」の事を嫌わずにいられるのは、やはりさちの存在が大きいんだと思います。さちという存在が「ワタリ」の多様性を証明しているというのもあるでしょうが、好きな人がたまたま「ワタリ」だったから、「ワタリ」を嫌いになれないのではないかと考えています。もっと言えば、さちという存在そのものを愛しているからこそ、「ワタリ」にも優しくなれるのだと。
「ワタリ」でありながら人であろうとするさちと、人でありながら「ワタリ」を理解しようとする蒔江。努力だったり、愛情だったり、時には欲望を匂わせたりと、異種族同士のやり取りは、非常に魅力的な時間を育んでいるように思います。愛情が欲望を凌駕できるのか、もしくは欲望が愛情を支配する時が来るのか、いずれにせよ2人の今後の発展に、目が離せません。
ま、そうは言っても
若い2人のイチャイチャは見ていて楽しいよ(笑)。本編は至って「ザ・ラブコメ」。この2人のイチャイチャがまー見事に微笑ましい。
種族を超えた愛情というエモさもあるんですが、はた目から見れば中学生と高校生の恋愛ですからね。天真爛漫溌剌年上お姉さんとお料理上手1人暮らし年下男の子の甘酸っぱい青春。実に微笑ましいやり取りなんですよね。 羨ましいと思う方が自然でしょ。蒔江君そこを変わってよ。
登場キャラのCVとか考えます?
連載だともう少し先を進んでいる様ですが、最新刊ではさちの過去に触れたり、新たな「ワタリ」との戦いが始まったりと、怒涛の展開が続きます。果たして、弱ったさちは、元の姿を取り戻せるのか…。いや…単行本で読む事のもどかしいところよね(笑)。
あと余談なんですけど、私は物語を読みながら、脳内声優を起用して声をあててもらう人間です。最近の声優さんが分からないのでライブラリはかなり古めなのですが、オーディションの様にあの声やこの声を比べて想像するのが楽しいんですよね。
個人的見解では、さちのCVは文句なしで堀江由衣さん。あの溌剌とした感じ。堀江さんの声帯がジャストフィットするはず。ドラマCDなんかが発売される際にはぜひ起用して欲しいなぁと思ったり思わなかったり…。ま、個人的見解でしかないんですけどね(笑)。ほちゃー!ほわっほわっほちゃー!!
...単行本、早く出ないかな。