一種の実験例です
『ジョーカー』鑑賞しました。
バットマン史上最悪のライバルと名高いジョーカー。
その過去を描いたお話。もしくはあったかもしれない英雄のお話だと、私は思っています。
バットマン過去作をほとんど見ていないので(本当にごめんなさい)、以下お読みになる方は「入り口がバットマンではなく、ジョーカーだった人間」がこの映画を見たら、という視点でお読みいただけると幸いです。
以下、感想をつらつらと。
誰でも彼に「同調」できる
初っ端から不幸に見回れてましたね…。
ただ他の方もおっしゃってるのですが、アーサーの不幸って特別なんかじゃないんですよね。人にバカにされ、苦しい生活で、夢が叶わない。彼の生活は、決して他人事ではない。おそらく誰もが経験した事があるような体験ばかりだったように思えます。ここがこの物語の恐ろしいかなと。主人公に、悪の象徴に、完全に「同調」してしまえるんですよね。
王道英雄譚
でもなんというか、この物語、王道なんですよね。冴えない主人公がちょっとした勇気をきっかけに民衆に慕われていく、王道ヒーローのストーリー。不満が蔓延した世界で才能が開花した彼を誰もが持て囃す。故に私は、鑑賞後に非常に明るい気持ちになりました。
アーサーが母親や司会者を殺害した時は、彼の行いが報われた気がして、とても晴れやかな気持ちで満たされたんですよ。
苦労は、報われなければならない…
苦しんで、行動して、報われる。素晴らしいじゃないですか。まさしく英雄じゃないですか。ジャンプの主人公よろしくの喜劇じゃないですか。私はジョーカーを尊敬すらしてしまいそうです。
何度考えても、私はジョーカーに対して肯定的な考えしかもてないんですよね…。
彼を否定したくない
苦労して苦労して苦労して苦労して苦労して
虐げられて虐げられて虐げられて虐げられて
足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて
やっと手に入れた名声。自分が存在を確信できる場所を勝ち取った。
それの何が、いけないのでしょうか?
私には、彼の行いを否定する術を、見つける事ができないのですよ。
それが、堪らなく悲しくもあるのですが。
実験結果
私は、間違いなく、彼に魅了されました。
私の場合、バットマンを知らずにジョーカーを知った時、どうしようもなく彼に魅せられる。
おそらくこの作品、見る時の状況によって意見は変わってくると思います。
今後私の考えがどのように変わっていくのか、作品を通して知れればな、と思っています。